東京リース株式会社の上海現地法人・東瑞融資租賃有限公司。総経理の松本幸雄氏はかつて銀行マンとして、東京都大田区で中小の町工場を担当し、それらの経営者と親交を深めた。90年代には深セン、香港、台湾に勤務し、日系中小製造業の海外事業の支援の経験もあり海外業務に精通している。
その松本氏が日系製造業に対して、次のようにアドバイスする。
ひとつは「増資は慎重に」。これまで設備投資に際して、外資系企業の多くは親会社から増資を受けていた。しかし昨今輸入設備に伴う関税・増値税の免税措置を受けられる企業の対象は狭まっており、「増資をすれば免税枠が広がった過去とは違い、増資のメリットは年々小さくなっている」。また松本氏は「親会社が一度投下した資本金は回収までに相当時間がかかる」とし、リースの活用を提案。銀行借入が変動金利であるのに対し、リースであれば長期(3~5年)の固定金利ファイナンスが可能。昨年の総量規制から昨今のアメリカに端を発した金融危機により資金調達も容易でなくなってきたとの声が日系企業から聞こえてくる。いま、中小の日系企業から注目を集めている運転資金調達方法が、セールアンドリースバックだ。企業の現有設備をリース会社に売却し売却資金を自由に活用できる調達手段だ。リースは新規の設備投資時に活用されるだけではなくこうした運転資金の提供も可能。「これからは、どれだけ現地法人が親会社に頼らず自力で資金調達できるかが中国での成功のキーになるだろう」。リースであれば銀行借入に比べて審査のスピードが速い。同社では必要書類が整ってから10日~2週間で資金の提供が可能とのこと。
二つ目に「常に情報収集を」と松本氏はアドバイスする。2008年7月2日に外貨管理規制強化策が打ち出され、10月1日より原材料等の輸入延払サイトを90日以内に短縮することを余儀なくさせられた企業も多い。松本氏は指摘する。「現在の中国の情勢が自社にどのような影響を与えるのか気づいていない企業がある。日系企業にはアンテナを高くしていただき日々刻々と変化する中国の法制度、金融情勢に柔軟に対応しながら資金調達計画を立てて欲しい」。
世界的に不安定な経済情勢である昨今、資金調達手段の一つとして、リースの活用を検討してみてはいかがか。リース会社には中小企業の相談役としての期待が高まっている。 |