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中国の環境意識が本格化した2008年、その背景
ジェトロ上海センターの花田美香副所長(右)、志村和俊経済信息部長(左)

昨年11月4~8日、上海で行われた「2008中国国際工業博覧会」で、ジェトロは「環境保護技術と設備展」に中国の展示会としては最大規模の日本館を設置。出展企業は明らかにこれまでと手応えの違いを感じたという。中国の環境意識の高まり、その背景には何があるのか? ジェトロ上海センターの花田美香副所長と「日中省エネ・環境協力相談窓口」ご担当の志村和俊経済信息部長に聞いた。

Q 2008年11月に行われた中国国際工業博覧会は大変な活況であった。ジェトロは「環境保護技術と設備展」に日本館を設置し、48社6団体が出展。中国の同分野での展示会としては最大規模の日本館となったが、出展企業の反応は?

花田氏 これまでも同様の環境ビジネス関連の展示会を行ってきたが、中国の環境意識が育っていないため、ビジネスとして成り立たないと言われてきた。今回は「手応えがあった」「高い可能性を感じた」という声がよく聞かれた。5日間で5331件もの商談があり、商談が200件を超えた企業もあった。工業博全体では5日間で約9万3千人の来場者があった。

Q 中国の環境意識が変わった背景は?

志村氏 中国では環境に関わる法令はほとんど揃っているが、実際に機能しているかは疑問だ。なぜなら、地方政府にとっては、経済成長こそが一番の課題であり、その障害となる環境保護は二の次。各地の環境保護局の予算や人事は、国家環境保護部ではなく各地方政府が握っているため、政策も実効性が担保されないからだ。06年3月に公布された「第11次5ヵ年規画」では「単位GDPあたりのエネルギー消費量を20%、主要汚染物質10%削減」という公約が盛り込まれたが、当初は私も実効性について懐疑的だった。しかし、07年6月以降は「節能減排(省エネ・汚染物質排出削減)」というスローガンの下、地方政府は、それぞれ公約達成に向けた方策を策定し実行に移している。同年11月には、「節能減排」を地方政府と国有企業幹部の人事考課に反映させるための細則が交付された。ここで注目されるのは、「節能減排」が「一票否決」項目ということ。すなわち、他項目でどんなに良い成績を修めたとしても、「節能減排」の目標が達成できなければ、その幹部は不合格となる。地方政府も、目の色を変えた。

Q 具体的にはどんな動きがあったか?

志村氏  中央政府の「本気度」が、地方政府を通じて中国内の企業に及んだ。これにより、いよいよ中国における環境ビジネスの時代が到来しつつある。「節能減排」の手っ取り早い手段は、小規模な石炭火力発電所など非効率な工場の閉鎖だが、それだけでは、公約達成は難しい。そこで、地方政府は、市や区などの下部組織、そしてエネルギーを多く消費する企業と「節能減排」目標達成に向けた手段についての契約を交わしている。14年以上の検討期間を経て09年1月から導入される新たな燃料税制も、企業の省エネを後押しするだろう。

Q 工業博直前に上海市の韓市長が09~11年の3年間で、環境改善に100億ドルを投資すると発表したが、そのお金はどのように使われるか? 

志村氏 上海市は2000年からGDPの3%以上を環境改善に提供してきたため、07年のGDPで算出すると毎年の政府支出は07年比で約1.5倍という計算になる。ゴミ処理場や汚水処理場などの環境インフラの整備に使われる予定だ。中国の環境インフラ整備では、後発ならではのメリットを活かすことが可能だ。特に上海では、欧米からの先端技術の導入も進み、規模のメリットを活かし生活ゴミ埋立地の上に風力発電所が建設されるなど、日本より進んでいる側面もある。今後は、既存処理場の拡張に加えて郊外におけるインフラ整備が加速するだろう。

Q 昨年11月の工業博にも出展した、「日中省エネ・環境協力相談窓口」の業務内容は?

志村氏 中国の企業から、おもに省エネ・環境分野における技術導入の相談に乗っている。相談内容を、技術を有していたりビジネスパートナーとなる可能性がある日本企業に紹介をすることを通じて、日中間のビジネスマッチング促進を目指している。

しかし、日本企業にとって、中国における環境ビジネスは、知的財産、高コスト、導入後のメンテナンスなども課題となってきた。日中間のビジネス・マッチングにあたっては、こうした点を踏まえた上で、促進させていきたい。

Q 工業博の日本館のような企画の、今後の計画について

花田氏 JETROとしては環境ビジネスに重点を置いているので、商談会や展示会を企画し、日本企業の期待が高まっているのを感じるので、積極的にビジネスの後押しを進めていきたい。

COMPANY DATA

ジェトロ上海センター
日中省エネ・環境協力相談窓口

ADD: 上海市延安西路2201号上海国際貿易中心319室
TEL: 021-6270-0489
 
 
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